問題の発見と解決への糸口 of Creative Thinking

問題の発見と解決への糸口

ここで大事なことは、次の三点である。
(1)たゆまざる改善意欲を持つこと。  
(2)はっきりとした問題意識を持つこと。
(3)真の問題を明らかにすること。   

 問題というものは、与えられる場合と、自ら取り上げる場合とがある。
 与えられる場合はよいとして、自ら取り上げるには、現状に満足せず絶えず改善しようとする意欲を持たなくてはならない。そうして自ら努力して、改善点の発見能力も発達させるようにせねばならない。
 与えられるもの、自ら取り上げるべきもの、いずれにしても目標というものに焦点をはっきりせねばならない。すなわち、その目的使命を単純率直な内容に明確化すること。
 問題をはっきりさせることは、目標を明らかにするばかりでなく、広い視野に立って問題を解く助けになる。
 うまく述べられた問題は、半ば解決されたようなものであって、そのために大切なことは、問題を書き上げることである。それによって問題をせばめていくことが可能になる。せばめればせばめるほど解決に近づくといってもよい。
 よく問題とした「問題」が、実はある現象をとらえているに過ぎなく、別にほんとうの「問題」が潜んでいたといった場面に出くわすことがある。

 米国のハーバード大学で創造性の研究をしていたウイリアム.J.J.ゴードン氏(1)は、提唱する「シネクティクス」のなかで
 与えられた問題(Problem as Given = PAG
    を
 把握された問題(Problem as Understood = PAU
に置換する」必要性を述べて、真の問題を明らかにすることを指摘している。

はっきり問題が述べられていれば、半ば解けたも同然である。

 現在あるものをコストダウンしようとするとき、大抵の場合はそのものの形とか、材料、製造方法などを変えることが多い。
 しかし我々の身の周りにはそういったアプローチよりも、観点を変えてみれば同じ働きをする別のものにすることができるものが多いはずである。
 たとえば眼鏡などは昔からみれば形、デザインが変わってきているが、コンタクトレンズなどは別の発想によるものである。
 これは一つの例に過ぎないが、「眼球の焦点距離を補正する」という点に着目することが大事なのである。「眼鏡の改良」がPAGとすれば「眼球の焦点距離を補正するにはどうしたらよいか」がPAUに当たる。
 もう一つの例で自動車のフロントガラスのワイパーは、「ガラスの表面の水膜の厚みを一定に保つ方法」とか、もっと積極的に「ガラスの表面に水滴が着かないようにする方法」が、PAUである。しかしながら今の所、現在のようなワイパーの形が安価で実用的であるため、別の形のものが現出していないのである。

引用文献
(1)「シネクティクス」(才能を組織しアイデアを開発する) W.J.J.ゴードン(大鹿、金野訳)著 丸善